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被害者の年齢と死亡慰謝料

弁護士会の基準では死亡慰謝料は、『一家の支柱』、『母親・配偶者』、『その他』という分類がされています。この基準を見る限り、被害者の年齢は 慰謝料の金額に反映されていないように思えます。

平均余命を基準に考えた場合に、例えば余命70年あまりの幼児と、平均余命より高い年齢の高齢者とでは慰謝料に違いがあるべきではないのか? そういった疑問は誰しも抱きうるものだと思います。5歳の幼児と80歳の高齢者(配偶者や扶養者のいない場合)は、弁護士会の基準に照らした場合、両者とも『その他』の基準が 適用されることとなりますが、これに違和感を覚える人は多いのではないでしょうか。いのちの価値は平等であっても、それを失うことによって被る 精神的な損害は、やはり余命年数の多い者の方が大きいと考えることができると思います。

慰謝料の基準はあくまでもひとつの基準ですので、裁判上ではあらゆる事情が斟酌されて金額が決められます。あらゆる事情の中には 年齢も含まれているはずです。それでは実際の裁判例では死亡時の年齢によって、慰謝料に差がつくというようなことはあるのでしょうか。

そこで『その他』に該当する高齢者と若年者の死亡慰謝料をいくつか比較してみたところ、『年齢を考慮』したというコメントがつく判例は多いものの、 認定額は概ね基準額に近いといえ、余命年数の違いによって慰謝料の金額に大きな違いはないという印象を受けました。 しかし若年者の場合に、基準額より数百万円多く認定しているのではないかと思われる例もいくつか認めることができました。

死亡慰謝料の場合、余命年数が長いことによって、慰謝料が加算される可能性はあるものの、例えば1年でいくらなどの算定方法はなされておらず、あくまでも 一つの事情として扱われるに過ぎないようです。

被害者の年齢と後遺障害慰謝料

後遺障害の場合も、若年者は高齢者に比べて長期にわたって障害を抱えることとなり、その分苦痛も長時間感じることになるわけですので、 若年者の慰謝料が高額になる方が自然な感じがします。過去には年齢により一定の率を増額する計算方法もあったようですが、現在では使われなくなっています。

等級別に若年者と高齢者の慰謝料認定額をいくつか比較検討してみましたが、年齢による金額の違いをはっきりと感じることはできませんでした。 死亡慰謝料と同様に、年齢も一つの斟酌事由という位置づけで考えられているに過ぎないようです

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