交通事故用語解説
独特の用語が数多く存在しており、交通事故の損害賠償請求を理解しにくいものとしています。
あ行
アジャスター
保険会社から依頼されて事故車の修理工場で立会い調査をし、修理方法や修理内容が適切かどうかチェックして修理費の見積書を作成したりします。
一括払い
事故の相手が任意保険に入っている場合には、任意一括払いの手続きをする場合が多いです。
例えば傷害による損害額が200万円だった場合、120万円までは自賠責保険から支払われ、
80万円を任意保険会社(一括社)が支払うということになりますが、示談締結までの間、自賠責保険で支払われる分についても任意保険会社が立替払いしてくれます。
被害者としては手間が省けて便利ではありますが、もめて示談が長引くような事案の場合には、被害者に不利な取り扱いがされる事があるという一面もあります。
運行供用者責任
自動車損害賠償保障法第三条では、自己のために自動車を運行の用に供する者は賠償責任を負う、とされています。運行供用者とは、自動車の運行支配をしている者ともいえます。
具体的にはオーナードライバーはもちろん、タクシーを所有しているタクシー会社や友人に車を貸して事故を起こされた貸主などです。
か行
過失相殺率認定基準
信号無視、追突、センターラインオーバーなどの事故形態では100:0のケースがありますが、他の形態の事故では、被害者側にも何割かの過失があることが多いです。
例えば信号のない交差点で、一方が優先道路で車同士衝突した場合は90:10(この割合はさまざまな条件により修正されます)となります。
この基準は、裁判所がまとめた『別冊判例タイムズ』や弁護士会の『赤い本』などに解説されています。
休業損害証明書
給与所得者が事故により会社を休んだり、遅刻したりして減収が生じた場合、休業損害を請求するのに必要な書類です。勤務先で書いてもらいます。
後遺障害診断書
後遺障害が残ったときに医師に作成してもらいます。
後遺障害といっても色々なものがあります。指を切断したとかいうものは明らかに等級認定されるでしょうが、
傷跡が残ったなどの場合は、その傷の場所や大きさ、目立ち具合などによって等級認定されたりされなかったりします。
また鞭打ち症では、レントゲンなどで異常が出ていれば等級認定されやすいですが、首が痛いとか腕がしびれるとか、自覚症状しかない場合は等級認定されない場合があります。
好意同乗減額
同乗者が運転者の好意で無償同乗すること。好意同乗者が事故で損害をうけ、運転者に損害賠償請求する場合、好意同乗であることを理由に損害額を減額される場合があります。
交通事故証明書
当事者の住所・氏名・電話、自賠責保険、事故類型(正面衝突とか、追突など)などが記載されています。申請用紙は警察署(交番)でもらえます。
さ行
事故発生状況報告書
自賠責保険を請求するのに必要な書類です。事故の状況を詳しく知っている人(自分や相手方)が書きます。
道路や車を簡単に図示して、どういう状況で衝突したのかを報告します。
普通の損害賠償では自分に過失が5割あった場合、怪我の治療費も5割しか請求できませんが、自賠責保険の場合は、被害者の救済を大きな目的にしていることから、このような過失相殺はされません。ただし、ある程度の減額はされます。傷害の場合は被害者に7割以上の過失があると判断されると、保険金が2割減額されます。
この過失の程度を判断してもらうために書く書類です。
事前認定
任意一括払いの時に、任意保険会社を通して後遺障害等級認定手続きをする場合、これを事前認定手続きといいます。
示談(じだん)交渉
示談とは、交通事故などの損害賠償を話し合いで解決することです。示談に臨む前に法律上正当な賠償額を把握しておくようにしましょう。
実況見分調書
事故の状況が詳しく記録されています。どの地点でブレーキをふんで、どこで衝突したなども記載されます。当事者の供述をもとに作成されますが、
目撃者のない死亡事故の場合など、加害者のみの供述から作られ、偏った内容となっている場合もあるようです。
自動車損害賠償保障法
損害賠償というのは、民法709条に規定があります。『故意又は過失によりて他人の権利を侵害したる者は之によりて生じたる損害を賠償する責に任ず』
この法律によって損害賠償を請求する場合は、被害者側が、加害者の故意、過失を立証しなければなりません。
自動車損害賠償保障法では、この立証責任を転換して、加害者側は免責の三要件を満たさない限り免責されないこととされています。
(自己および運転者が自動車の運転に関し注意を怠らなかったこと。被害者又は運転者以外の第三者に故意・過失があったこと。
自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったこと。)
この他この法律では、自賠責保険について規定されています。
自由診療
交通事故で病院にいくと、普通は健康保険を使わずに、自由診療扱いにされます。
普通、私病で病院にかかるときは健康保険を使うため、患者の窓口負担は治療費の3割などです。また、健康保険を使う場合は、
治療費等の単価が決められているのですが、自由診療ですと決まりがなく、2倍近くすることが多いようです。
加害者の資力に問題がある場合などには、健康保険の使用を検討する必要があります。
使用者責任
使用者は、被用者の引き起こした事故について、損害賠償責任を負わなければなりません。
使用者責任は、会社とその社員という関係だけでなく、元請と下請け、さらには兄弟間でも認められる場合があります。
症状固定
怪我による障害は残っているが、これ以上治療を続けても症状がよくなることはない状態をいいます。
これは保険会社がたいした根拠もなく症状固定の時期を決めてくることもありますが、医師と良く話し合って慎重に決めるようにしてください。
診療報酬明細書
保険金を請求するときに必ず必要になる書類です。何月何日に通院したのか、どんな処置をして、どんな薬を処方したのか、
治療費はいくらかかったのかなどが、細かく書いてあります。病院で書いてもらいます。
全賠約束
事故直後に損害の状況や過失割合も不明確なまま、相手に促されて「全額賠償します」などの約束をしたり、一筆を書いてしまうこと。
ケースによっては、保険会社から保険金全額までは支払われないこともあります。
このような約束を限定的に解釈した判例もありますが、安易にこのような約束はしないように注意すべきです。
た行
第三者行為災害(傷病)届
交通事故での怪我の治療には、通常は自由診療とされますが、健康保険や労災保険を使うこともできます。
その場合に提出しなければならなくなるのが、第三者行為災害(傷病)届です。
賃金センサス
労働者の賃金の実態の詳細な統計調査です。職業、年齢、学歴などによって分類されています。逸失利益の計算などに利用することがあります。
な行
任意一括払い
事故の相手が任意保険に入っている場合には、任意一括払いの手続きをする場合が多いです。
例えば傷害による損害額が200万円だった場合、120万円までは自賠責保険から支払われ、
80万円を任意保険会社が支払うということになりますが、示談締結までの間、自賠責保険で支払われる分についても任意保険会社が立替払いしてくれます。
被害者としては手間が省けて便利ではありますが、もめて示談が長引くような事案の場合には、被害者に不利な取り扱いがされる事があるという一面もあります。
は行
被害者請求
自賠責保険は加害者が請求する場合と、被害者が請求する場合があります。加害者が被害者に直接賠償金を支払った場合は、加害者が保険金を自分に支払うように請求しますが、
加害者が被害者に損害賠償金を払っていなければ、被害者は、加害者からでなく、直接自賠責保険会社に請求することができます。
ホフマン係数
ホフマン係数も使い方はライプニッツ係数と同じです。ライプニッツ式が複利なのに対し、
ホフマン式は単利になっています。現在、裁判ではライプニッツ式の使用が主流になっています。
や行
優先道路
過失割合を考える場合に、優先道路を走っていたのか、あるいは単なる広路を走っていたのかが関係してくる場合があります。
通常はセンターラインの有無で判断します。
ら行
ライプニッツ係数
逸失利益などの算定時に、中間利息を控除する計算に使う数字です。中間利息控除とは、例えば、年収500万円で死亡した人が後10年働けるはずだった時の逸失利益の賠償金は、500万×10=5000万、ではありません。10年かけて5000万稼ぐはずだったところ、今、全額の賠償金を受け取るため、
利息を前もって引いておかないと、もらい過ぎになってしまうのです。
ちなみに10年のライプニッツ係数は7.722ですので、500万×7.722=3861万となります。
リサーチ
事故の態様や過失割合について相手の保険会社と意見が合わない時などに、リサーチ会社が事故原因を調査して過失割合を提示してくることがあります。
リサーチ会社は保険会社からの依頼しか受け付けません。
一応、第三者の立場から公平な結論を導き出すようにしているようですが、結果に不服がある場合は従う必要はありません。
労働能力喪失率
事故で後遺障害が残った場合、その障害の重さによって、仕事に支障が出る場合があります。
後遺障害等級表には労働能力喪失率も記載されています。
例えば、第一級の障害の場合は100%、第六級なら67%、14級は5%と記載されています。
これは逸失利益の計算上大切な数字なのですが、等級表の喪失率をそのまま用いて計算するとは限りません。
その人の症状や仕事などを総合的に判断して労働能力喪失率は決められます。
その他
PTSD
心的外傷後ストレス障害 非日常的な体験をした人が、その後に強い心理的苦痛や不安、恐怖などに悩まされる病気。
XP・CT・MRI
XP(X-ray photo レントゲン)
CT(computed tomography X線コンピュータ断層検査)
MRI(magnetic resonance imaging 磁気共鳴画像検査)
いずれも身体の中を写真にして、異状を探すことができます。
MRIが最新の機器ですが、それぞれに長所、短所があり、場合によって使い分けるのがベストだそうです。
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