共同不法行為の過失

交通事故オンライン損害賠償編

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伊佐行政書士事務所

共同不法行為

共同不法行為というのは、例えばタクシーとトラックが事故を起こし、タクシーの乗客が怪我をした場合で、 車双方に過失がある場合には、乗客に対しては双方の車が共同で不法行為責任を負うということです。 タクシーとトラックの過失割合が20:80であれば乗客に対する責任割合も同じに処理しますが、一般的には過失の大きいトラックの任意保険で対応し、 タクシーの責任分については保険会社同士で調整を行っていることが多いようです。

医療過誤との共同不法行為

交通事故と医療過誤が共同不法行為となった場合の過失相殺について、次のような考え方が示されました。

最高裁平成13年3月13日判決
『本件は交通事故と医療過誤という加害者および侵害行為を異にする二つの不法行為が順次競合した共同不法行為であり、 各不法行為については加害者および被害者の過失の内容も別異の性質を有するものである。ところで、過失相殺は 不法行為により生じた損害について加害者と被害者との間においてそれぞれの過失の割合を基準にして相対的な負担の公平を 図る制度であるから、本件のような不法行為においても、過失相殺は各不法行為の加害者と被害者の過失の割合に応じてすべきものであり、 他の不法行為者と被害者の間における過失の割合を斟酌して過失相殺をすることは許されない。』

この事件では結果として、医療過誤による医師への損害賠償請求は医療事故の過失割合で過失相殺がおこなわれ、交通事故の 加害者と被害者の過失割合は考慮されませんでした。