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性別による格差

基本的には男女の違いによって慰謝料に違いがでるということはないと考えていいでしょう。痛みに対する苦痛や、後遺障害、死亡の場合の苦痛に、 男女の違いによる格差を設ける合理的な理由はありません。ただし、例外的に、胎児を失った場合は、 母親の慰謝料が認められても、父親には認められにくいということがあります。 その他に、外貌醜状の場合に、男性に比して女性の慰謝料が高額に算定されるということがあります。 胎児を失った場合に母親の慰謝料が父親に比べて認められやすいのは、胎児が妊婦の身体の一部をなしていたということからも、 合理的と考えることができるかと思いますが、外貌醜上についてはどうでしょうか。男女の違いで格差を設けることは合理的なのでしょうか。

外貌醜状の格差

外貌醜状という後遺障害は男女別に等級が分かれています。原則的には男性の場合はその程度により14級か12級、 女性の場合は12級か7級に認定されます。弁護士基準では14級の慰謝料は110万円、12級は290万円、7級は1000万円という基準があります。 男性と女性が顔に同程度の傷を残した場合に、一方は慰謝料が1000万で、もう一方は290万ということになりますが、これは合理的な格差といえるのでしょうか。

外貌に著しい醜状を残した場合、男性が12級、女性が7級になります。著しい醜状というのは例えば5センチメートル以上の線状痕が残った場合に認定される 可能性があります。同じ大きさの傷でも女性の傷のほうがより高い等級に認定されるというのは、日本人の平均的な感情に沿ったもので合理的という考え方も できるかと思いますが、あまりにも金額の差が大きすぎるという気がします。特に性別だけでなく、年齢や既婚、未婚の違いがある場合は、 非合理な結果となることが多いのではないでしょうか。20歳の独身男性と、60歳の既婚女性が、同じ程度の外貌醜上が残った場合に 慰謝料に700万円もの差が出ることが合理的だと考える人は、そう多くはないと思います。

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