交通事故のQ&A150問

交通事故オンライン損害賠償編

〒278-0051千葉県野田市七光台316-17
伊佐行政書士事務所
  1. Q&A 解決方法に関すること
  2. Q&A 過失割合に関すること
  3. Q&A 後遺症・後遺障害に関すること
  4. Q&A 医療に関すること
  5. Q&A 社会保険に関すること
  6. Q&A 自賠責・任意保険に関すること
  7. Q&A 損害賠償請求に関すること
  8. Q&A 物損に関すること
  9. Q&A 加害者に関すること

解決方法に関するQ&A

Q1 どのような解決の仕方があるのか教えてください。

交通事故の解決方法で、もっともポピュラーなのは示談による解決です。当事者間で話し合って解決します。示談でも弁護士さんに依頼して 話し合い、交渉をしてもらう事ができます。行政書士は依頼者様の代わりに示談交渉などはできません。示談による解決が望めない場合は、調停や裁判による解決方法があります。その他、紛争処理センターなどのADRを利用する方法があります。

Q2 人身事故の被害者になりました。どうすればよいのか、何もわからず不安です。

相手方は任意保険に入っているのでしょうか?入っているのでしたら保険会社から連絡があるはずです。 最初は怪我の治療に専念することになります。怪我が治った時または後遺障害の認定を受けてから損害額の計算をして 保険会社と示談交渉をすることになります。 損害額は自分で勉強するか、専門家に依頼して妥当な額を把握しておきましょう。 保険会社の提示してくる額は、あくまで保険会社側の都合で主張している金額ですから、 妥当な場合もあるでしょうが低額な場合が多いです。

Q3 裁判をすれば有利になるのでしょうか。

自分の主張や請求額が妥当で、それが証明ができるにもかかわらず、相手方がそれを認めようとしない場合は有利になるといえましょうが、 その判断は容易ではないことが多いと思います。もっともよく耳にするのは、加害者や保険会社への怒りから裁判を考えている というケースですが、相手の態度以外に、自分の考え方が裁判で通用するものなのか、冷静に考えることが大切です。 費用や解決に要する時間なども考慮に入れる必要があるでしょう。 裁判をする前には弁護士さんへの相談をお勧めします。

Q4 小さな事故なので自分で裁判をしようかと考えていますが、何から始めればいいのでしょうか。

管轄を調べ、どのような手続きで訴訟提起するのかを調べます。簡易裁判所などでは、手続きについては教えてくれる(法律相談はしていません) 場合がありますので、一度いってみるといいでしょう。それから裁判で請求する内容や証拠について整理しておく必要もあります。

Q5 自分で保険会社に交渉するときの注意点を教えてください。

一般の方に見られやすいのは、話し合うときに主張の根拠を明確にしていないということです。例えば保険会社の人に過失割合は70:30でいかがでしょう、 といわれた場合に、それでは納得できないという気持ちがあっても、それではなぜ70:30では納得できないのかを説明できないために、 話がそこで止まってしまうという事があります。根拠を明確にできれば、自信を持った話し合いを余裕を持ってできると思います。

Q6 事故の相手が車の修理代を払ってくれません。額が小さいのでどうすべきか悩んでいます。

内容証明郵便によって請求をしてみてはいかがでしょう。文面を工夫することで、より高い効果が期待できます。

Q7 バイクで歩行者に怪我を負わせてしまいました。保険は自賠責しか入っていません。どのように話を進めればいいのでしょうか。

加害者が自賠責保険を請求する(加害者請求)場合は、被害者に対して治療費などを支払済みであることが条件となります。 取敢えずは自費で治療費や休業損害、慰謝料などを支払って、示談をしてから自賠責保険に保険金を請求することになります。(内払い請求も可能です。)自賠責保険の請求には診断書など、一定の 書類が必要ですので、漏れなく準備しておくことが大切です。

Q8 自転車で歩行者に怪我をさせてしまいました。法外な要求と嫌がらせに困り果てております。

誠意ある謝罪と適正な賠償をしなければならないことはもちろんですが、被害者側から度を越えた要求があった場合は、毅然とした態度も必要です。 礼を失するような態度は慎むべきですが、可能な限り丁寧に説明し、できないことをできないと、きっぱり伝える勇気も必要です。

Q9 自転車と歩行者の事故の場合の示談の注意点を教えてください。

自転車運転者が加害者になった場合は、保険に加入していないことが多く損害の計算も自分でしなければなりませんので、間違いをしないように注意が必要です。 損害額で合意ができた場合は、示談書を取り交わすことになりますが、様式は自動車事故のものを真似ても問題はないでしょう。自動車事故で保険会社が間に入っている場合は、 示談締結後に示談金が振り込まれるのが普通で、それで問題が起きることは通常ありませんが、当事者同士で示談する場合には、示談金と示談書を取り交わすような形にしたほうが 双方安心できるのではないでしょうか。

Q10 賠償金を分割で払いたいといわれましたが、注意することはありますか。

賠償金を分割払いにする場合は、将来支払いが滞った場合も想定して約束をしておくべきです。遅延損害金などの定めをした 公正証書を作っておくべきでしょう。

Q11 紛争処理センターや弁護士に頼むと、必ず増額するのでしょうか。

センターや専門家に頼んで結果がでるのは、理由があるときに限ります。一般的には増額の余地があるケースが多いですが、もともと妥当な損害額を提示されている場合は、増額する余地がない場合もあります。弁護士に依頼する場合は、最初にある程度の見込みを説明してもらうようにして下さい。

Q12 事故で夫が植物状態になりました。このような相談にものっていただけるのでしょうか。

もちろんご相談に応じます。重度の後遺障害が残った場合は、障害認定、介護費用、自宅の改造費用、その他多くの検討事項がありますが、そのようなご相談にも対応しています。なにがなんでも弊事務所のみで対応するということではなく、ご相談の結果、 弁護士に依頼したほうが良いとアドバイスする場合もあります。

Q13 物損にするか人身にするか決めて欲しいといわれていますが、違いがわかりません。

物的損害だけにおさまる事故が物損事故、人的損害があるものが人身事故です。ただし必ずしもそうではない場合もあります。 事故で怪我をした場合、病院に行って医師の診断を受けます。普通は診断書を警察に提出して人身事故として処理されるのですが、次のような場合は 怪我をしても物損事故として処理される場合もあります。 第一に、怪我がごく軽傷で(または怪我というほどでもなく、検査だけのために病院に行った場合など)治療が必要でないことが明らかである場合。 第二に、加害者側の事情で、人身事故届けをしないように頼まれた場合です。警察に届けなければ、人身事故という記録は残りません。 第一のケースは比較的よくあるといっていいでしょう。少しすりむいただけで、念のため病院には行ったが、3~4日しても他には全く異常がない 等の場合は 、簡単に物損事故で済ましてしまうというようなことです。加害者にも誠意があり、被害者がそれでいいと考える場合は、特に問題は起きないでしょう。 しかし、 第二のケースでは注意が必要です。加害者の職業や免許の点数残などにより、行政処分や刑事処分を恐れ、人身事故として届けないで欲しいと頼まれる 場合があります。 相手がよほど信用のおける人物であれば良いですが、人身事故で届けない場合は、後になって治療費の支払などが滞る可能性があるのです。このような対応はしないほうが無難です。

Q14 事故にあったので、保険会社に勤める知人に相談しましたが、相手の保険会社のいっていることと違います。なぜでしょうか。

交通事故に関する相談というのは、個々の事例ごとに判断する必要があるものが多いです。ですから中途半端な情報しかない状態で、 質問に答えるのは困難な場合があります。何か一つ条件が違うだけで、正反対の結論になってしまう場合もあります。注意すべきことは、 保険会社に勤めているといっても、様々な部署がありますので、誰でも保険や損害賠償の知識に明るいというわけではありません。 人を介して間接的に質問すると、誤解や情報不足から不適切な回答しか得られない場合があるというようなことです。

Q15 事故現場では謝るな、とよくききますが、やはり謝ると不利になるのでしょうか。

確かにそういった言葉尻を捉えて後でそっちが100%悪い!などと言ってくる人がいないとは言い切れませんが、事故現場で謝ったところで、 そのことで不当に不利な立場になるということはありません。あきらかに非があれば、きちんと謝罪するのが加害者の取るべき態度ではないでしょうか。 ただし、謝ることと、100%の過失を認めることは意味が違いますので、間違ってもその場の雰囲気で自己に不利な一筆などは書かないようにしましょう。

Q16 後遺症が出るから示談するなと知人にいわれました。そのとおりなのでしょうか。

万一示談後に予測していなかった後遺症が出てきた場合は、その分の損害賠償請求はできますので、 後遺症を警戒するためだけに示談を引き伸ばす必要はあまりありません。ちなみに、むち打ち症はすぐに痛みを感じなかったとしても、 多くは2~3日で何らかの症状が出てくるそうです。

Q17 事故の相手に頼まれて警察に届けなかったのですが、保険金は支払われますか。

警察に届けなくても保険金が支払われる場合もありますが、事故があった場合は警察に届けなくてはなりません。

Q18 車に追突され怪我をしました。加害者は自賠責保険には加入していましたが、任意保険には入っていません。 怪我は重傷で自賠責保険では不足するのですが、加害者には財産がないようです。裁判をすれば賠償してもらえるのでしょうか。

裁判で請求が認められても、加害者側に資力がなければ支払いを受けることができませんので、せっかくの判決も絵に書いた餅となってしまいます。

Q19 外国人労働者の運転する車に追突されました。任意保険に入っていないようで心配です。

話し合いがうまく進まない場合は、自賠責保険をご自分で請求(被害者請求)するのが良いでしょう。自賠責保険では賠償額に不足する場合は、 使用者責任や運行供用者責任を追及できないか検討しましょう。

Q20 保険会社の担当者の人とは話をする気になれません。加害者の人と直接話し合いをすることはできますか。

保険会社担当者は加害者の委任を受けて交渉をしていますので、その立場は尊重すべきです。感情の対立が激しく、話し合いが困難な場合は、 担当者の交代を申し出れば保険会社が応じる事もありますが、聞き入れられない事が多いようです。加害者本人との示談交渉は基本的に 認められないでしょう。

過失割合に関するQ&A

Q1 過失割合というのはどのように決めるのですか。

判例タイムズ社の民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準という本を参考にして決めるケースがほとんどです。 ただしこの本を見ても、慣れない方には判断が難しく、単純なケースでは良いのですが、その他の場合は修正要素などを詳細に検討した上で、 さらに判例なども参考にしつつ過失割合を検討する必要があります。

Q2 相手方は私のスピード超過を指摘していますが、私はそんなにスピードを出していません。現場にブレーキ痕がありますが、 それから速度を計算することはできますか

推測することは可能です。 スリップ痕から制動開始時の初速度を計算するには
制動初速度(km/h)=√(259×制動痕の長さ(m)×摩擦係数)という式を使います。

摩擦係数は路面の状態や乾燥か湿潤かも考慮すべきですが、ここでは0.7とします。また、ここでは道路勾配は0%とします。 以上の条件で制動痕の長さが10mだったとすると、制動初速度は42.5km/hということになります。

Q3 息子がバイクで友人を後ろに乗せて転倒し、大怪我をさせてしまいました。その友人はヘルメットを被らずに強引に後ろに 乗ってきたとの事です。責任はどれくらいありますか。

ヘルメットを被らない人間を乗せてバイクを運転することは当然許されないことですが、このケースでは友人にも過失が認められる (例えば3割程度)可能性が高いと思います。具体的にどれくらいの過失があるかというのは、その友人との関係 (年齢差や先輩後輩の関係とか、命令に逆らえないような関係だったとか)を具体的に検討して判断していく事になるでしょう。

Q4 タクシーと事故を起しました。相手のほうが悪いと思うのですが、タクシー会社の人は私のほうが過失が大きいといっています。 どうしたらいいのでしょうか。

事故慣れしていて、不相当な主張をしてくるタクシー会社もあります。 不相当な主張でも、知識がないとなかなか上手に反論できず、 ついにはタクシー会社の不相当な主張が罷り通ったりしてしまいます。このような場合は面倒がらずに、お早めに専門家にご相談ください。 専門家が関与してきたとわかった途端に、相手の態度が変わってくるのは良くあることです。

Q5 渋滞している車の左路側帯側をバイクで走行中、急にドアが開いて衝突しました。過失割合はどれくらいですか。

車の停車した場所や道路の状況、停車時間、ドア開放の時の安全確認の程度、バイクの走行位置、速度など、様々な事項を検討する必要がありますが、 判例では概ね車側に過失を100~80%程度認める例が多いようです。

Q6 「明らかに広い道路」とはどんな道路のことをいうのでしょうか。

具体的に何%広いなどの基準はありません。自動車の運転者が交差点の入り口において、道路の幅が客観的にかなり広いと一見して見分けられるものをいいます。 判例を参考に、事例ごとに判断するしかないでしょう。

Q7 傘をさして自転車を運転中に車と事故になった場合、不利になるのでしょうか。

傘をさしてということは、前方が良く見えない場合があること、また、片手運転で不安定な運転をしているということで不利な要因になります。 ただし、それらのことが、事故原因を考えた場合に、取るに足らないようなことである場合は、過失として特に考慮されない場合もあります。

Q8 自転車に乗って横断歩道を渡っているときに車と事故になった場合、不利になるのでしょうか。

横断歩道を通る場合は自転車を押して歩くべきといえますが、横断歩道のない部分を渡るよりも車から見た場合は発見されやすいともいえるなどのことから、 その事自体で特に不利になるようには扱われていません。

Q9 優者危険負担の原則とはどんなことですか。

同じ事故態様でも、弱いものが保護されるという考え方です。例えば四輪車とバイクの事故の過失割合は、四輪車と自転車の過失割合に比べれば、バイクの事故のほうが 過失割合が高く見られます。

Q10 無免許運転は過失割合を決めるのに関係がありますか。

無免許運転は重過失とされます。ただし、そのことが事故と相当因果関係がない場合は、過失割合に与える影響は一定ではないと思います。

Q11 無車検車で事故を起した場合、過失割合に関係はありますか。

加害者が無車検車であることのみによって、単純に重過失などの修正要素を適用できるかどうかは、因果関係の程度によって判断が分かれるのではないかと思います。 ただし、そのような加害者は遵法精神に欠ける者として、過失割合や慰謝料の算定時に不利益を被ることになると考えられます。

Q12 信号サイクルとはなんですか。

赤、青、黄のそれぞれの表示秒数などのことです。警察で管理しています。

Q13 車道に子供が飛び出して事故になりました。怪我をした相手は気の毒に思いますが、過失が8割もあることに納得がいかないのですが。

自動車を運転する者には、重い責任が課せられています。避けられないタイミングで飛び出されたのに責任を負わなければならないのか という疑問はもっともだと思いますが、ドライバーには飛び出してくる人があることをも予測して運転する注意義務があるというように 心得ておくべきでしょう。子供だけでなく、高齢者の信号無視の飛び出しなども良く見かけます。信号が青でも、気を緩めない運転を心掛けたいものです。 実際の過失割合は、その道路が幹線道路なのか、生活道路なのかなどによっても異なってきますが、自動車側の過失の方が大きくなるケースのほうが 多いと思われます。

Q14 過失は10%単位で決められるのですか。

通常は5%単位で決められますが、決まりはありません。

Q15 交通事故証明書を取れば、過失割合がわかるのですか。

交通事故証明書には、追突とか出会い頭の事故などの事故の態様は書いてありますが、それ以上の細かい事は書いてありません。 従って通常は過失割合を考える上では、あまり参考になりません。

Q16 歩行者と自動車の事故で、歩行者は怪我をして、車も傷がつきました。歩行者の過失相殺率は7割です。歩行者は車の修理代を払う必要はありますか。

歩行者にも過失割合分の不法行為責任があるといえる場合が多いと思います。歩行者の被害と歩行者が加害した過失割合が 同一と考えられるかどうかは議論のあるところですが、請求された場合は負担すべき場合もあるでしょう。

Q17 高齢者が自転車で信号無視をして飛び出してきました。咄嗟によけたので、衝突せずに済みましたが、 私の車は電柱にぶつかり廃車になりました。相手に請求できますか。

請求できることが多いと思いますが、自動車側の速度超過があったり、回避するための措置に過失が認めれられれば、過失相殺されることになるでしょう。

Q18 対向車線で事故があり、跳ね飛ばされてきた人をよけきれずに轢いてしまいました。私にも過失はあるのでしょうか。

予測不可能であれば過失を問われない可能性もありますが、対向車線での事故の様子を把握することができ、その時点で直ちに回避行動をとれば 事故を避けられた可能性があると認められる場合などは過失を問われる場合もありえます。

Q19 パトカーが追跡していた車が信号無視をしたために私の車に衝突しました。警察に責任を問えますか。

追跡行為に違法性が認められれば責任追及の余地はありますが、容易ではないと思います。弁護士さんに相談しましょう。

Q20 運転中に脳梗塞となり、意識を失って事故を起こしました。過失はどうなりますか。

事故態様にもよりますが、運転中に突然病気などで意識を失って事故を引き起こした場合でも、免責をされる可能性は高くないようです。

Q21 著しい過失とはどんな場合をいいますか。

例えばわき見運転や、携帯電話の使用、酒気帯び運転などが考えられます。

Q22 重過失とはどんな場合をいいますか。

例えば酒酔い運転、居眠り運転、無免許運転が考えられます。

Q23 高速道路で故障のために停車中、追突されました。相手が100%悪いのでは。

高速道路では一般道と異なる扱いがされます。路肩への待避が可能であるのに本線車道上に留まり追突された場合は、 追突された側にも大きな過失が問われます。

Q24 サンキュー事故とはどんな事故ですか。

交差点で右折のために停止しているときに、対向車線が渋滞などで流れが止まり、対向車から道を『どうぞ』と譲られる場合があります。 『有難う』と右折を開始したとたん、対向車線の左端などを走行してきたバイクと衝突するといった事故形態のことをいいます。

Q25 左方優先とはどういうことですか。

自動車は左側通行とされています。自動車が交差点で出会う場合、右方車は左側によける余地があるのに対し、 左方車は余地があまり無いために、左方車を優先させるといわれています。

後遺障害に関するQ&A

Q1 後遺症の等級はどのように決められるのでしょうか。

医師の書いた後遺障害診断書等の資料に基づき、損害保険料率算出機構の調査事務所で認定されます。自賠責保険の制度です。

Q2 症状固定とはどういうことですか。

医学上一般に承認された治療方法をもってしてもその効果が期待できず、残存する症状が自然的経過によって到達すると 認められる最終の状態に達したことをいいます。治療直後は良くなったと感じても、一進一退の状態であれば、症状固定といえるでしょう。

Q3 等級の併合、加重とはなんでしょうか。

後遺障害は何級何号という形で分けられていますが、複数の後遺障害が残った場合は、合わせて一つの等級を決めます。それが併合です。 加重とは、既に障害を有していたところ、事故でその障害が重くなった場合のことをいいます。

Q4 事前認定とはどういうことですか。

任意保険会社が一括対応をしている場合に、任意保険会社を通して後遺障害等級認定を受けることを事前認定と呼んでいます。

Q5 むち打ち症の治療は3ヶ月までしか認められないといわれましたが、本当なのでしょうか。

むち打ち症の痛みの原因や症状は実に多岐にわたっています。一番多いといわれている頚椎捻挫型などといわれているむち打ち症の場合は、 医学的には多くは1~3ヶ月で治るといわれています。それを受けて最高裁昭和63年4月21日判決では『~衝撃の程度が軽微で損傷が頚部軟部組織 にとどまっている場合には、入院安静を要するとしても長時間にわたる必要はなく、その後は多少の自覚症状があっても日常生活に復帰させた 上適切な治療を施せば、ほとんど1ヶ月以内、長くとも2,3ヶ月以内に通常の生活に戻ることができるのが一般である。~』との見解が示され、 それを根拠に保険会社から3ヶ月で治療の打切りを打診される例があります。ですが前述した通り、 痛みの原因は多岐にわたっていますので単純に3ヶ月で治療を打ち切るという考え方には問題があります。 どれくらいの治療が必要なのかということは保険会社が勝手に判断することではありません。 ケースごとに医師と相談の上考えるべきことです。

Q6 病院では頚椎に異常があるといわれたのに、後遺症の認定はされませんでした。なぜでしょうか。

例えばMRIなどで頚椎に骨棘やヘルニアなどの異常が見つかっても、それが後遺症と関連があるものとはいえない場合があります。従って、単に画像上異常が みられたからといって、後遺障害等級が認定されるとは限らないのです。

Q7 顔に大きな傷跡が残りました。後遺障害として認定されましたが、保険会社に逸失利益はないといわれています。本当でしょうか。

逸失利益は労働能力の喪失がある場合に認められますが、顔に傷が残った場合は、仕事に影響しないと考えられる場合が多く、慰謝料はともかく、逸失利益は 認められないという考え方があります。しかし職業や年齢等によっては認められる場合もありますので、最初からあきらめる必要はないでしょう。

Q8 12級の後遺障害が残りました。私は内装業をしておりましたが、後遺症のため廃業せざるをえません。逸失利益の計算で労働能力の喪失が 14%だといわれましたが、年齢的にも他の職業への移行は困難だと思います。それでも14%で我慢しなければならないのでしょうか。

労働能力喪失率は、後遺障害等級別に率が決められています。もともと労災の後遺障害等級認定基準からきているものですが、 これはあくまでも「基準」として一定のラインを示しているだけのものに過ぎませんので、障害の内容や、個人の職業によって、 実際に喪失したといえる労働能力が違ってくるのは当然のことです。したがって証拠を示して、基準と異なる喪失率で逸失利益を請求する事も可能ですが、 一般にはほとんどのケースで労働能力喪失率表の基準が当てはめられており、容易には認められないと思います。

Q9 後遺症が認定された後の治療費は請求できませんか。

原則として認められませんが、後遺症の内容等によっては、将来の治療費や検査費が認められる場合もあります。

Q10 後遺障害診断書を整骨院で書いてもらうことはできますか。

できません。後遺障害診断書は医師に書いてもらってください。

Q11 自賠責保険がない場合は後遺障害等級はどのように決まるのですか。

自転車と歩行者の事故などで自賠責保険がない場合は、客観的に等級を決める方法がありません。診断書等から当事者間で 合理的な等級を認定し、損害額算定の基礎とすることになるでしょう。

Q12 等級の認定に不服があるときはどうすればよいのですか。

必要な資料を添付し、異議申立をして、妥当な等級を再度検討してもらうことができます。

Q13 事故後、病院でRSDと診断されました。数ヵ月後、後遺障害等級認定を受けましたが、結果は非該当でした。 異議申立をすれば等級認定されますか。

医師がつける診断名によって後遺障害等級が決まるわけではありませんので、異議申し立てをする前に、 どのような経緯でそのような診断名がつけられたのか、診断書の内容は障害を的確に現しているのか、 該当すると考えられる等級に必要な条件を満たしているのかなどを検討すべきです。

Q14 頚椎捻挫と腰椎捻挫で14級が二つ認定されたのですが、損害賠償請求も二つ分できますか。

14級が二つ認定されても、併合による等級の繰上げはありませんので、14級がひとつとして取り扱われます。ただし、慰謝料算定に おいては、後遺症の内容や程度が斟酌され得ますので、若干高めの請求ができる場合もあるでしょう。

Q15 自賠責の後遺障害等級が認定されると、就職などで不利になったりするのでしょうか。

後遺症の内容にもよりますが、等級認定されること自体で社会的に不利益を蒙ることは少ないと思います。 「障害」を認定されるということに抵抗を感じる方もたまにいらっしゃいますが、 特に14級の神経症状程度では、問題にされることは少ないでしょう。

Q16 関節の曲がりが悪くなったのですが、どんな基準で認定されますか?

関節の機能障害が残った場合は、健康な側の曲がる角度と、後遺症がある側(患側)の曲がる角度を比べて、 どれくらい曲がらなくなったのかによって、認定される 等級が違ってきます。4分の3以下に制限された場合と2分の1以下に制限された場合などのように、決められています。単に曲がらないことだけでなく、 曲がらないことについて、骨が変形しているなどの理由がはっきりしている必要もあります。

Q17 高次脳機能障害はどのように評価されますか?

事故後の意識レベルや脳室拡大などの画像所見のほか、神経心理テストや日常生活の状況などによって評価され、等級認定されます。

Q18 顔に残った傷も後遺症になるのですか?

外貌醜状といって、後遺障害となります。傷の位置や程度によって認定される等級は異なります。 10円玉以上の大きさとか、3センチ以上の長さなどの基準がありますが、色の濃さなども関係してきます。 比較的軽いものでは12級。重いものでは9級や7級になります。

Q19 耳鳴りが残ったのですが、何級に認定されますか?

耳鳴りの原因にもよりますが、14級または12級に認定される可能性があります。

Q20 視力が悪くなったのですが、等級認定されますか?

視力が落ちるのにはいろいろな原因があります。視神経の損傷などがあり、矯正もできず、 等級表に定められた程度の視力の低下がある場合は、認定される場合があります。

医療に関するQ&A

Q1 頚椎捻挫と診断され、かなり痛むのですが病院では薬を出してくれるだけで、特に治療らしいことをしてくれない のですが、大丈夫なのでしょうか。

頚椎捻挫と診断され、首や肩などが痛む場合、薬を処方されたり、物理療法が行なわれたりします。どのような治療をどの時期に行うかについては、 医師が診察をして決めることですので薬しか出されなかったからといってそれが不適切かどうかはすぐにはわかりません。 特に急性期は安静が第一で、マッサージのようなことはしないほうが良いという考え方も存在します。 しかし医師が治療に無関心で適切な治療が行なわれていないのではないかとしか思えないようなケースもたまに見られます。 患者としては医師とよくコミュニケーションをとるように努め、疑問が強いときはセカンドオピニオンを利用するなどの事も検討すべきかと思います。

Q2 整形外科は近所にないので整骨院に通院したいのですが、問題はありませんか。

特に問題はおきず、整骨院の施術で治癒するケースもありますが、整骨院ではレントゲンなどの検査ができない、後遺障害診断書が書いてもらえないなどの違いがあります。できれば接骨院と並行して、医師の診察も受けておくことをお勧めいたします。

Q3 被害者の怪我の程度や症状などを、病院で聞くことはできますか。

被害者の同意書があれば可能です。

Q4 保険会社から医療同意書というものが送られてきましたが、これは提出しても大丈夫なのでしょうか。

保険会社が病院に治療費を支払うのに、診断書や診療報酬明細などの書類が必要です。その取り付けのために同意書が必要なので、普通は提出します。 画像フィルム貸し出しや症状などについて医師に問い合わせることができるという文言も入っていることが通常ですが、 これも特に問題になることはありません。たまに保険会社との信頼関係が崩壊していて、同意書を出すのが不安という相談を受けることがあります。 確かに一部の悪質な保険会社担当者の場合は、よからぬ方向に利用しようとする場合もありますので、どうしてもいやな場合は、 同意書を提出しないこともできますが、そのかわり自分で診断書などの書類を定期的に取り付け、保険会社に送付する必要がでてきたりしますので、 そのほうが煩わしいと考える方のほうが多いのではないでしょうか。

Q5 頚椎捻挫は何科で診てもらえばよいのですか。

最初は整形外科にかかるのが普通です。頚椎捻挫はケースによって様々な症状が出ることがありますので、様子を見て耳鼻科など他の科を受診することもあります。

Q6 後遺症は治療先の医師が等級を認定してくれるのですか。

等級認定は損害保険料率算出機構の調査事務所で行われます。その時に治療先の医師が書いた後遺障害診断書が資料とされます。

Q7 交通事故の治療で、鍼灸は認められますか。

必要性や相当性が認められれば鍼灸の治療費も自賠責保険で支払われます。

Q8 セカンドオピニオンとはなんですか。

主治医以外の医師の診察を受け、客観的な意見をいってもらうことです。

Q9 加害者が保険に入っていないのですが、治療費は誰が払えばよいのでしょうか。

加害者が支払うべきですが、病院では加害者に請求することを嫌がります。被害者が病院に支払ってから加害者に請求するか、ある程度通院継続の見込みが 立っている場合は、事前に見込み額を加害者から受け取っておくなどの工夫が必要です。

Q10 診断書が必要なときは、どこでもらえばよいのですか。

警察や会社に提出するものは、直接病院の窓口で依頼して発行してもらいます。自賠責用のものは、 加害者の任意保険会社が治療費を支払っている場合はそちらからもらい、加害者が任意保険に入っていない場合は、病院の窓口で依頼します。

社会保険に関するQ&A

Q1 任意保険会社の人に健康保険を使って治療して欲しいといわれています。どうすればいいですか。

自賠責保険では怪我に対する保険金は120万円が支払い限度額になっています。通常、交通事故の治療では自由診療という扱いがされますが、 自由診療では健康保険で診療するよりも一般に治療費が高額になるため、早く自賠責保険がなくなってしまいます。 そこで加害者側の保険会社としては健康保険を使ってほしいといってくる場合があります。被害者としては、 自分の過失が大きい場合は早期に健康保険の使用を検討すべきだと思います。また、加害者が任意保険に加入しておらず、 自賠責保険以外に賠償資力がないような場合も健康保険を使ったほうが良いでしょう。

Q2 保険会社の人に健康保険を使ったほうがいいといわれていますが、病院では交通事故の患者さんは健康保険は使えないといっています。 どういうことでしょうか。

交通事故で病院で治療を受ける場合、健康保険を使わずに自由診療にするのが通常の扱いです。そのため、病院の窓口で『保険会社の人に言われたのですが、 健康保険は使えますか』などといっても、『(普通は)使えません』という返事が返ってくることがあります。事故のときに健康保険を使えるかどうかというのは、 奥深い問題があります。結論だけ言ってしまえば、事故のときでも健康保険を使うことはできるということになりますが、必ずしも健康保険を使ったからといって、 常に有利になるというものではありません。健康保険を使うことが本当に自分のためになるのか、単に保険会社の都合で、そうしてほしいといわれているだけではないのか、 良く確認してから結論を出しましょう。

Q3 第三者行為傷病届けとはなんですか。

健康保険は、加入者の保険料で運営されています。従って加害者が支払うべき治療費分について被害者が健康保険を使って治療した場合は、後で加害者に求償 することになります。そのための手続きが第三者行為傷病届です。

Q4 業務中の事故の場合は労災を先に使ったほうがいいのでしょうか。

役所間の取り決めでは、自賠責保険を先に使うということになっています。ただし、被害者はどちらを先に使うか自由に決めることができます。 自賠責保険を先に使うべきか、労災保険を先に使うべきかは迷うところですが、一般的には自賠責保険を先に使用したほうが有利だと考えられます。 ただし、被害者の過失が大きい場合、加害者の賠償資力に問題がある場合など、その他の状況により、労災保険を先行させたほうが良い場合もあります。

Q5 労災でも慰謝料は支払われるのでしょうか。

労災からは療養補償給付や休業補償給付など、自賠責保険と同じような費目の給付が受けられますが、慰謝料は支払われません。

Q6 労災の後遺障害等級認定と自賠責の後遺障害等級認定はどう違うのですか。

後遺障害等級や認定基準は、自賠責が労災の基準に準拠しているため、基本的には同じになっています。しかし認定機関や方法が異なることから、 両方の認定を受けた結果、異なる等級認定がされるということがあります。給付内容も異なり、自賠責は一時金のみですが、労災は7級以上の後遺障害は障害補償年金が支給されます。

Q7 パートタイマーでも労災は使えるのでしょうか。

パートやアルバイトでも労災は使えます。

Q8 会社で労災は使えないと言われたのですが・・・。

事業主に労災に加入していないなどといわれることがありますが、事故があってからでも加入はできます。また、マイカーによる通勤災害で、会社がマイカー通勤を 認めていない場合に労災適用を認めないといってくる場合がありますが、通勤災害と認められる場合は、労災が適用されます。

Q9 業務中の事故で怪我をして、病院で健康保険を使おうとしたら使えないといわれました。何故でしょうか。

仕事中の事故は労災保険を使うことになっており、健康保険は使えません。労働災害を隠すことは『労災かくし』といって犯罪になりえます。

Q10 自損事故でも労災は使えますか。

自損事故でも通勤災害であれば労災が使えます。

Q11 労災のメリット制とはどのようなものですか。

労災の保険料は事業の種類ごとに災害率を基礎に決められています。メリット制は一定以上の規模の事業場において、災害率の高低に応じた 保険料を課すしくみです。つまり同じ業種の事業所でも、災害が多いところと少ないところではメリット制により保険料に差が出る場合があるということです。メリット制の適用を受けるのは、100人以上の労働者を使用する事業であること 等の要件があります。また、業務災害にのみ適用され、通勤災害には適用されません。

Q12 交通事故を物損で届けた場合は、労災は使えませんか。

警察に人身事故届けをすることは労災使用の要件ではありません。事故証明書がなくても労災の請求は可能です。

Q13 公的年金の障害給付はどのような場合に受給できますか。

年金というと、年をとってから給付される老齢給付を想像しますが、一定の障害の状態になり、保険料の支払要件等を満たしている場合は、 障害給付を受け取ることができます。障害等級は1級から3級と、3級より軽い一定の障害に分かれており、等級により給付内容は異なります。

Q14 公的年金の遺族給付はどのような場合に受給できますか。

年金に加入している人が亡くなった場合で、18歳未満の子を持つ妻が残された場合などに年金が支給される場合があります。その他の近親者 にも一時金の支給などが受けられる場合があります。

Q15 寡婦年金とはどのようなものですか。

遺族給付のうち、年金がもらえない妻に支給される場合があります。例えば、妻に18歳未満の子がいない場合には遺族基礎年金は 支給されませんが、60歳から65歳未満であって、結婚生活が10年以上続いていた人に支給される可能性があります。

自賠責保険に関するQ&A

Q1 自賠責保険の請求は自分でもできますか。

加害者が治療費などの賠償金を払ってくれないときは、被害者が直接自賠責保険会社に損害賠償金を請求することができます。 事故証明書などの書類をそろえる必要がありますが、加害者の承諾を得る必要などはありません。

Q2 保険会社の担当者に暴言を吐かれました。対抗策はありませんか。

たまにこのような話を耳にします。どのような状況で暴言を吐かれるようになったのかわかりませんが、残念なことです。 暴言があったからといって特に有効な策は思いつきませんが、その担当者と話し合いができない状況なのであれば、 担当者の変更を会社に要求すれば良いかと思います。暴言というのは言語道断だと思いますが、保険会社はあくまで保険金を支払うのが役目ですので、 被害者側も必要以上に、保険会社担当者に対して礼を失した態度を取る事がないように気をつけてください。 話し合いがこじれるのは被害者側の感情的な応対が原因になっているケースも良く見かけます。もっとも知識のない被害者が、 プロである保険会社と対等に交渉するのは非常に困難な事ですので、それが原因で感情的になってしまう場合が多いようです。

Q3 幸い軽傷で済み、通院も1ヶ月だけで完治しました。こういう場合は自賠責保険しか請求できないのでしょうか。

自賠責保険では傷害についての保険金額の上限は120万円までとなっています。通常は損害がこれを超える場合にのみ任意保険会社から賠償金が支払われます。 ただし、自賠責保険から支払われた金額が10万円であっても、法的に妥当な損害がそれを超える場合は、その分を請求することはできます。

Q4 このケースでは共同不法行為で保険が二倍出ますといわれましたが、どういうことでしょうか。

自賠責保険は車ごとにかけられている保険ですが、加害車両が複数台ある場合は、台数分の保険が使えることになります。例えば加害車両が二台ある場合は、 傷害の保険金額は、120万円×2=240万円が上限になります。もっとも上限額が大きくなっただけですので、単純に慰謝料が二倍支払われるというような事ではありません。

Q5 被害者請求とはなんですか。

自賠責保険の請求方法には、加害者請求と被害者請求という方法があります。加害者請求は、加害者が被害者に賠償金を支払って示談をした後に、自賠責保険から支払った金額を 回収するというもので、本来の保険金の請求方法ということができると思います。被害者請求というのは、加害者の中には賠償金を積極的に支払おうとしない不誠実な者も おり、そのような場合は被害者は治療費の支払にも窮することにもなりかねないことから、被害者救済の手段として、被害者が直接自賠責保険に損害賠償金を請求できるように したものです。

Q6 息子が飲酒運転で自損事故を起し大怪我をしました。保険金はおりませんか。

自損事故の場合は、自賠責保険はおりません。また、任意保険の自損事故保険は、酒酔い運転の場合は保険金は支払われません。

Q7 妻と車で旅行中、自損事故を起し助手席の妻が怪我をしました。保険金は支払われますか。

自賠責保険は『他人』に対して支払われるものですので、自損事故の場合は、保険金は支払われません。 では、妻のような近親者は『他人』という扱いになるのでしょうか?このようなケースは親族間事故といって、 通常の場合と若干取扱が異なることがありますが、自賠責保険金は通常支払われます。任意保険の自損事故保険は、 自賠責保険が支払われない場合にのみ支払われる保険ですので、この場合は支払われません。

Q8 主人が夜間カーブでハンドル操作を誤って電柱に激突死しました。多額の借金があるため、自殺を疑われています。どうしたらいいでしょうか。

警察の捜査の結果、自殺とされた場合は、保険金は自賠責保険や自損事故保険、搭乗者傷害保険はおりません。 自殺かどうか不明の場合は、保険会社と話し合いが進まないことがあると思います。

Q9 対人賠償保険はいくらかけておけば大丈夫ですか。

もちろん保険金額が多いに越したことはありませんね。一億円の人、無制限の人、色々いらっしゃるでしょう。 では、万一自分が加害者になってしまった場合、いったいいくらくらいの賠償責任を負うことになるのでしょうか。 いくつか参考事例をあげておきます。
①9歳女 死亡 5225万
②30歳男 死亡 7020万
③22歳男 死亡 8302万
④54歳女 死亡 4657万
⑤49歳男 後遺障害1級 1億5327万
⑥11歳女 後遺障害1級 1億3004万
このように、死亡よりも重度の後遺障害が残ったほうが高額の賠償金が必要になります。2億円を越えるような高額賠償判決もありますので、 やはり無制限の保険に入っていたほうが安心です。

Q10 仮渡金とは、どういうものでしょうか。

死亡事故や急な入院などで、急ぎの資金が必要になることもあります。仮渡金というのはそのような時のために、保険金の一部を素早く支払ってくれる 便利な制度です。

Q11 内払いとはどういうものでしょうか。

自賠責保険の制度ですが、現在は廃止しれています。

Q12 賠償責任保険とはどういうものですか。

自動車保険で対人保険とか対物保険などと呼ばれているものが賠償責任保険です。他の人や、他の人の所有物に対して賠償責任を負った場合に支払われる保険です。

Q13 無保険車保険とはどういうものですか。

死亡または後遺障害が残った場合で、加害者が無保険などの場合に支払われます。

Q14 搭乗者傷害保険とはどういうものですか。

運転者や同乗者などの、自動車に搭乗中の者に支払われます。

Q15 人身傷害補償保険とはどういうものですか。

傷害保険の一種です。相手に請求できない自分の過失分が支払われたり、家族の歩行中の事故などで支払われる場合もあります。

Q16 私は事故の被害者なのですが、保険会社の人に加害者呼ばわりされました。 ただ、被害者様とも呼ばれています。どうもよく意味がわからないのですが。

被害者、加害者というと、通常は責任の大きい方が加害者、責任の小さい方が被害者といわれます。しかし、自賠責保険の実務では 怪我をしたほうが被害者で、 その相手方が加害者と呼ばれます。ですから、過失9割の相手方も怪我をしたようなケースでは、過失は1割程度であっても、 その分については自賠責保険の請求では、 過失1割の人が加害者という位置づけをされます。 「自分の過失は1割なのに、相手の保険会社から電話がかかってきて、怪我をした○○さんの被害者請求をするので、あなたの自賠責保険証のコピーを送ってほしい、 といわれましたが、何で自分が加害者呼ばわりされるのでしょうか?」というご質問をいただいたことがありますが、これは単に自賠責の手続き上、そのような言い方をされたに過ぎないのです。 もっとも、誤解を受けやすい部分ですので、相手方も誤解されないように、言葉に気をつけるべきです。 加害者という言葉には、何か悪いことをした人というようなマイナスのイメージがあり、 そう呼ばれて気持ちのいいものではありません。 事故の相手方とは上手くコミュニケーションが取れないことが多いので、誤解のおきないように、言葉遣いには注意したいものです。

損害賠償請求に関するQ&A

Q1 保険会社の賠償金の提示額というのは低いのですか。

必ずしもそういうわけではありません。治療に何ヶ月も要するケースですと損害額が大きくなるので低額な提示が多いと思いますが、 被害者にも過失がある場合などによっても、保険会社の提示が妥当かどうかというのは変わってきますので一概には言えません。 治療が長引かずに、加害者や保険会社担当者の対応が迅速丁寧な場合などは、そもそも損害額が小さいので、 交渉するまでもなく示談に応じるほうが良い場合も沢山あると思います。

Q2 交通事故の損害賠償請求に時効はありますか。

交通事故による損害賠償請求権は、大雑把な言い方をすれば事故発生日(後遺症は症状固定日)から起算して3年で時効が成立します。 仮渡金、時効中断申請書などにより時効は中断します。

Q3 私は学生ですが、事故で足を怪我したため電車通学ができませんでした。タクシーで通学し費用を請求することはできますか。

怪我の状態が悪く、徒歩で学校へ行くのが困難な場合で、他に費用のかからない代替手段(バスなど)がなければ認められるでしょう。

Q4 私は自分で会社を経営していますが、事故のために1ヶ月ほど仕事を休みました。しかし保険会社は休業損害は支払えないといっています。 何故でしょうか。

会社の役員の場合は、普通の給料所得者と違い、その報酬が労務の対価としての部分と、利益配当としての部分に分けて考えられます。 会社の規模や貴方の実際の仕事への関与の仕方、仕事を休んだ時に報酬が支払われたかなどを総合考慮して、 労務対価と認められる部分については休業損害として請求すべきです。

Q5 信号待ち停車中に追突され、3週間後に流産しました。賠償請求できますか。

このようなケースでは、事故と流産との因果関係が問題になると思います。医師がはっきりと事故による流産であると判断できる場合には、 請求もしやすいと思いますが、そうでない場合は事故の態様その他について慎重に検討し、対策を考える必要がありますので、 詳細についてお聞きしないことには何ともお答えできません。

Q6 子供が赤信号で飛び出したため、咄嗟によけたのですが、対向車線にはみ出し、対向車に衝突しました。 子供の親に責任を取ってもらえますか。

歩行者であっても不法行為によって車側に損害を与えれば損害賠償をしなければなりません。飛び出しのタイミングや、子供の年齢、 自動車のスピードなど様々なことを検討して過失割合を検討します。子供の親に損害賠償請求できるかどうかは、その子供の年齢によっても違ってきます。 一般に親の責任を追及できるのは、年齢が11~12歳以下のときになります。

Q7 犬に吠えられて自転車が転んだ場合、買主に責任を問えますか。

単に吠えられて驚いて転んだだけでは、飼主の責任追及は難しいと思います。ただ、犬が係留がとかれた状態で飛び出してきて、驚いた自転車が転倒して怪我をした場合に、 飼主の責任が認められた判例があります。

Q8 事故で怪我をし、仕事ができなくなったため会社を解雇されました。このような場合は再就職まで休業損害を請求できますか。

休業損害は通常は治癒または症状固定までの間に現実に休業した期間が計算の対象となりますが、就労が可能な状態まで身体が回復している場合は、 休業期間が制限される場合もあります。事故による怪我が原因で会社を解雇された場合でも、原則的には休業損害は就労が困難な期間しか認められません。 ただし、諸事情により再就職まで、あるいは再就職に必要な相当期間が認められる場合もあります。

Q9 従業員が通勤中に事故を起し加害者になりました。会社に責任はありますか。

マイカー通勤を禁止していた場合は会社の責任は否定される事もありますが、容認や黙認をしていた場合は、使用者責任等を問われる可能性もあります。

Q10 子ども会の行事の引率中に、子供がふざけて飛び出したため、自転車の高齢者に怪我をさせてしまいました。引率者に責任はありますか。

一概にいえる事ではありませんが、引率者が適切な注意義務を果たしていなかったと見られるような場合には、子供会の役員など無償の 活動であっても、被害者から責任を追求される可能性はあります。

物損事故に関するQ&A

Q1 物損事故でお互いに過失がありました。保険会社の人がいう「クロス払い」とはどういう意味でしょう。

具体例で説明します。Aさんの過失が7割で損害が100万円、Bさんの過失が3割で損害が20万円だった場合、 それぞれの支払い額はAさんが20万×7割=14 万、Bさんが100万×3割=30万をそれぞれ賠償しあいます。このような支払方法のことをクロス払いといいます。

Q2 事故で車を修理している間に、代車を借りたいのですが、保険会社に代車の費用は支払えないといわれて困っています。

代車を借りる必要性があり、実際にレンタカーなどを利用した場合には、修理に必要な相当期間が認められるべきです。 期間は通常は1~2週間が限度ではないでしょうか。

Q3 全損した車の時価とは、どのようなものでしょうか。

事故車の時価よりも修理代の方が高額になる場合には、経済的全損といって損害額は時価額となります。ここでいう時価とは、はたして車の下取り価格のことでしょうか、 あるいは市場で売っている価格のことでしょうか。判例では、市場で売っている価格のことだとされています。

Q4 新車をぶつけられました。このことで慰謝料を請求できますか。

物損の場合は、基本的に慰謝料は認められません。相手の態度が悪いというだけでは、認められないものと考えておいた方が良いでしょう。 新車の場合は評価損という損害を請求できる場合もあります。

Q5 物損についても自賠責保険で支払われるのでしょうか。

物損害は自賠責保険では支払われません。ただし、眼鏡・補聴器などは認められます。

Q6 修理したことにより車の査定額が落ちると思いますが、その分は請求できますか。

評価損とか格落ち損といわれている損害です。これは判例でも認められたり認められなかったりと色々です。新規登録から事故までの期間が短かったり、 高級車である場合などに認められやすいです。

Q7 運送業をしていますが、車の修理期間中仕事ができません。その分も損害として請求できますか。

休車損害といわれている損害です。代替車両がなく、損害が発生すれば請求できます。

Q8 部分塗装では納得いきません。全塗装の費用を請求することはできますか。

一般的には部分塗装しか認められません。高価な車で、塗装の状態と車の価値が密接な関係にあり、部分塗装では損害の回復ができないと見込まれるようなケースでは、 例外的に全塗装が認められることもありえるでしょう。

Q9 新車をぶつけられた場合は、評価損を請求できるのですか。

修理箇所などにもよります。修理によっても完全に回復し得ないような問題が残り、かつ、新規登録から1~3ヶ月程度の事故ですと、保険会社も認める場合があるようです。

Q10 私は加害者ですが自分が100%悪いと考えています。しかし保険会社は80%しか保険金を支払えないといっています。どうすればいいのでしょうか。

保険会社は法的に妥当と考えられる分しか、保険金を支払いません。出会い頭の事故の場合は、100:0となることは少なく、被害者側にも何らかの過失が問われることが 多いです。いくら加害者が、自分が悪いから100%払ってくれ頼んでも、被害者側が無過失であることが説明できない限り、保険会社が100%を払うことはないでしょう。 実際に90:10が妥当なケースであれば、そのとおりに支払えばよいことなのですが、人情的に100%の責任をどうしてもとりたいという場合は、裁判で100:0を 立証するか、あるいは自腹をきって埋め合わせるしかないと思います。

加害者に関するQ&A

Q1 加害者の責任にはどんなものがありますか。

被害者側に対する道義的な責任のほか、民事損害賠償責任、行政処分、刑事処分などで責任を問われます。

Q2 付加点数とはどんなものですか。

交通事故で他人を死傷させた場合に、怪我の程度や責任の度合いに応じ、通常の交通違反点数に加えて、加算される点数のことです。

Q3 刑事処分はどのように決められるのですか。

人身事故を警察に届けますと、警察で調書が作られます。それが後日検察に送られ、検察官がそれらを参考に、また、独自に捜査し調書を作り、 起訴・不起訴や量刑等を判断します。

Q4 未成年者の場合はどのような処分がされますか。

警察から家庭裁判所へ送致され、保護処分や不処分などが決められます。

Q5 公務員が加害者となった場合に注意すべきことはありますか。

公務員の場合は、刑事処分の内容によっては職を失う場合がありますので、その点について対策が必要となる場合もあります。

Q6 刑罰にはどのようなものがありますか。

罰金刑、禁錮、懲役などがあります。

Q7 検察審査会とはなんですか。

交通事故の場合、検察官が加害者を起訴するかどうか決めますが、不起訴となったことに不服がある場合は、検察審査会に申立てることが できます。審査会で起訴相当とされた場合は、検察官は起訴を再度検討することになります。

Q8 自動車運転過失致死傷罪とはどんなものですか。

自動車運転過失致死傷罪の創設前は、最高刑が懲役5年の業務上過失致死傷罪に問われていましたが、新たに自動車運転過失致死傷罪が創設されたため、 自動車事故はこちらの罪に問われることになりました。

Q9 被害者へのお詫びはどのようなタイミングで行けばよいでしょうか。

早めに行くことが大切です。ただし重傷事故、死亡事故などでは身内の方の気が動転している事も多く、事故当日などに伺っても迷惑になったり、 謝罪を拒否されたりする場合もあります。これといった正解はありませんが、3日後、一週間後と、あまり間を空けずに連絡を取ってみるべきでしょう。 場合によっては、追い返されることがわかっていても謝罪にうかがうという姿勢も必要です。

Q10 加害者の処分内容を知る方法はありますか。

交通事故は、軽い捻挫程度の軽傷事故から死亡や重篤な後遺症が残る事故まで、様々な結果を引き起こします。 過失によるものであっても自動車運転者には重い注意義務が課せられており、過失の度合いや引き起こした事故の結果の重大性により、 刑事責任を負わなければなりません。 被害者は加害者の悪質性が高いと考えているときは、その刑事処分の内容が気になるものです。 被害者等は事件の処理結果(起訴、不起訴)、公判期日、刑事裁判の結果等の通知を求めることができます。詳しくは刑事局ホームページをご覧ください。